キミノタメノアイノウタ

寒さに耐えてやっと家に着く。

ポストを開くと、なんと私宛の小さな包みが届いていた。

差出人は兄貴だった。家に入る時間を惜しんで、その場で包みを開ける。

包みの中に入っていたのは衝撃吸収シートに包まれたCDケースと、兄貴が書いたであろう二つ折りのメモだった。

「もしかして…」

期待で手が震えた。

私はゆっくりと衝撃吸収シートを剥がしていった。

CDケースには間違いなくazureと書かれていた。

(灯吾…っ…)

胸が喜びで一杯になる。

……あの時の約束、ちゃんと果たしてるんだね。

早速、ケースを開ける。

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