キミノタメノアイノウタ
「そういえば瑠菜は?」
「さっき出掛けてったぞ。お前が寝てる間にな」
「ふーん…」
聞いたは良いがさして興味がなかったの、今度は矛先が奏芽くんに向けられる。
「何で奏芽が家にいるんだよ。瑠菜と付き合ってますっていう報告ならいらねーぞ。勝手にやれ、勝手に」
「ちっ違いますよ!!」
奏芽くんは焦ったように反論した。その態度は明らかに動揺していて。
出逢って数時間しか経っていないというのに、俺ですら気が付いてしまうほどだ。
「……お前、いつまで瑠菜に片思いしているんだ?」
……侑隆は無情にもとどめを刺した。
「あぁーーっ!!」
奏芽くんは声の限りに叫ぶと、ずるずると椅子にもたれかかった。