キミノタメノアイノウタ


「W大受けるの!?」

私は千吏の報告に驚愕して、千吏のママが淹れてくれた紅茶を溢してしまった。

「イエース!!まあ、受かるかわかんないけどね」

千吏はピースサインをこちらに向けて、あははと笑った。

片手に紅茶のカップを握ったまま呆けていた私は我に返って、ふわふわ真っ白なラグに紅茶の色が残らないように慌てて拭う。

「もっと早く言ってくれればよかったのに…」

「まあ、決めたのも最近だったしね」

私だって色々考えたんだからと、言って千吏は本棚から付箋のついたいくつかの参考書を取り出した。

「んで、ここわかんないんだけど…」

指差されたページには数学の応用問題がところ狭しと並べられていた。

「了解」

私は持ってきていたノートに早速シャーペンを走らせた。

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