キミノタメノアイノウタ

「うっそ…」

私は信じられないものを見た。

「奏芽っ!!暑すぎて頭どうかしたの!?」

千吏は奏芽の頭を大きく左右に振った。

「や め ろ !!」

そう言ってされるがままだった奏芽がゼエゼエと息を切らして千吏を追い払った。

「俺は正常だっ!!」

「嘘つけー。あんたが正常なら特別課題、名付けて浅倉スペシャル!!をやるわけないじゃん」

「いいだろ、たまには。お前が真面目に勉強しているのだっておかしいだろう?」

ヘッと小馬鹿にしたように笑うと、千吏のこめかみがヒクヒクと動いた。

一触即発の雰囲気になったので私はやれやれと思いながらも間に入った。

「ほら、千吏!!順番回ってきたんじゃない?」

ちょうど黒板の前に立っていたクラスメイトが出席番号順に書かれた己の名前を消していた。

先頭が千吏の名前になる。

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