キミノタメノアイノウタ
「悪いっ!!三者面談の日付を変えてくれっ!!」
浅倉は両手をあわせて私と奏芽に頼み込んだ。奏芽と互いの顔を見合わせる。
それに構わず、浅倉は話し続けた。
「明日の午後から急に泊まりがけで出張が入ってな。お前らだけ面談が間に合わないんだよ」
たのむっ!!と再度、頭を下げる浅倉に奏芽はホッとしたように肩の力を落とした。
「んだよー。そんなことかー。俺はもっと別のことかと思ったぜ」
奏芽が浅倉の肩にポンッと手を置くと、即座にその手が握られる。
「お前には他にも色々言うことがあるから面談を楽しみにしておけよ?」
「こえーよ!!」
浅倉に凄まれた奏芽はズサッと後ろに下がった。
熱血教師の情熱的な三者面談は想像しただけで暑苦しい。