清皇学院記
「俺にはお前が必要なんだよ。あれからは

お前の姿見るために学校来るようなもんでさ。

俺バカだし、こんな奴だけど…

俺と付き合って…ください」


 連は頭を下げた。玲華は蓮の言葉を聞いて

動けなくなっていた。


 蓮がそんなこと言ってくれると思わなくて

自分が正しいと思ってやっただけの行動が

自分への好意に繋がるなんて思ってもいなくて。


 目の奥がジンと熱くなった。指で涙を

ぬぐってから、玲華は返事をした。

「私ね、蓮のこと好きだよ。

周りが蓮を傷つけるなら、私はそれを

許さない。守ってあげるよ、ずっと」


 玲華の口は自然にそんな言葉を

発していた。蓮は玲華に抱きつき、

「守るのは俺だ、ばーか」


 蓮は憎まれ口を叩きながらも

大事そうに玲華の頭を撫でた。

「大好きだ…玲華」

「うん、…ありがと、っ」


 変声期の低い、掠れた声。

それが玲華の頭を疼かせていた。


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