清皇学院記
9月の夕暮れは、もう
少しずつ早くなっている。
玲華と蓮が歩いている道は
キレイなオレンジ色と紫色で
二人を包み込んでいた。
「俺さ」
沈黙を破ったのは蓮だった。
「ん?」
「授業出てみようと思うんだ」
「うん」
どうしてそう思うようになったのか
玲華は気になったが、蓮の話を聞く
ことにした。
「けど、何て言われるか分かんねぇし」
玲華はコクンと頷く。蓮が
周りからの目線を酷く気に
しているのは充分に承知していた。
「不安ばっかなんだ。玲華が
こうやって優しくしてくれてるのが
当たり前のようになってて、
他の奴も同じに見えてきて、
だけど違うところがまた辛くて」
「それ、私のせい?」
「違う。ただの俺の甘えだよ。
玲華は悪くないよ。俺自身が
変わりたいっていうのが本音かな」
「どんな蓮も好きでいるよ。
不安かもしれないけど、頑張って。
ちゃんと見てるから。蓮が
変わりたいって思ってるなら
応援するよ」
玲華は心が痛くなった。
蓮はこんな風に思っていても
それを妨げるのが、何も知らない
クラスメイトだなんて。
酷すぎる。人はもう少し、
人を見るべきだ、と玲華は思った。
少しずつ早くなっている。
玲華と蓮が歩いている道は
キレイなオレンジ色と紫色で
二人を包み込んでいた。
「俺さ」
沈黙を破ったのは蓮だった。
「ん?」
「授業出てみようと思うんだ」
「うん」
どうしてそう思うようになったのか
玲華は気になったが、蓮の話を聞く
ことにした。
「けど、何て言われるか分かんねぇし」
玲華はコクンと頷く。蓮が
周りからの目線を酷く気に
しているのは充分に承知していた。
「不安ばっかなんだ。玲華が
こうやって優しくしてくれてるのが
当たり前のようになってて、
他の奴も同じに見えてきて、
だけど違うところがまた辛くて」
「それ、私のせい?」
「違う。ただの俺の甘えだよ。
玲華は悪くないよ。俺自身が
変わりたいっていうのが本音かな」
「どんな蓮も好きでいるよ。
不安かもしれないけど、頑張って。
ちゃんと見てるから。蓮が
変わりたいって思ってるなら
応援するよ」
玲華は心が痛くなった。
蓮はこんな風に思っていても
それを妨げるのが、何も知らない
クラスメイトだなんて。
酷すぎる。人はもう少し、
人を見るべきだ、と玲華は思った。