清皇学院記
「や、ぁ…」


 咄嗟に肩を竦めてしまった。

「仲良くしよぜ、な?

これから付き合い長く

なるかもしんねぇぜ?」


 瀬戸はフッと口の端を持ち

上げて笑い、玲華の顎を掴み、

よく見えるようにいろいろと

動かした。

「へぇ、結構かわいいんだな。

蓮はこういうのが趣味なんだな。

童顔ってかんじなのが…。

名前は?」

「れい、玲華。科野玲華」


 もうここは素直に何でも

答えるしかないと玲華は直感的に

思っていた。反抗すれば身の危険を

感じることになる。

「玲華、ねぇ。聞いたことねぇな。

あんた、どっかのグループいんの?」

「何のことですかっ」

「所属なし、ねぇ。

あんたみてぇな奴がこっちの世界に

いるとは思えんが、まぁいい。」


 瀬戸は一呼吸置いて、話し始めた。

「蓮とはどんな関係だ?」

「れ、蓮の彼女で…同じ中学校」

「ふん、そうか」


 瀬戸の期待した答えが返って

こなかったのか、どの道、気に

要らなかったと見て、瀬戸は

タバコを吸い始めた。

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