清皇学院記
***


「玲華ちゃんいるって本当?」


 亜樹菜の明るい声が響いた。

玲華は亜樹菜が帰ってくるまで、

ずっと作戦のことを考えていた。

「はい、こちらに」


 美香さんが応接間のドアを開け、

亜樹菜を部屋へ通す。

「あ、玲華ちゃん!今日は、

どうしたの?学校来ない

みたいでみんな心配してたけど」

「あぁ、ちょっとね。

今からそれも関係していることで

お願いがあるんだけど…」


 玲華は美香さんに説明したのと

同じように亜樹菜にも説明した。

「…そういうことだったの。

いつ助けにいくの?」

「今日にでも」


 玲華はできるだけ早く

蓮を組織から抜け出せるように

したかったのだ。

「分かったわ。今から行くのね。

美香さんは荏田隊長に連絡、

亜樹菜は警察に連絡しておくから」


 亜樹菜がてきぱきと指示を出して

くれたおかげで、1時間後には

何もかも準備がそろったのだ。
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