清皇学院記
「れ…、玲華」


 蓮は驚いたように目を見開いた。

「あと瀬戸さんに言いたいことが」

「なに」

「私が一番許せないのは、

人がひたむきに頑張ってるのを

邪魔をすることなのよ」

「それが…俺らだと?」


 瀬戸の声に苛立ちが出始めた。

「そうね。最低だよ」


 玲華は後ろで何か物が動く

気配を感じた。

「お前らァ、容赦すんじゃねぇぞ」


 瀬戸が大声は上げた。まだ

残っている人たちで、玲華やSPたちを

殴りかかりに来た。玲華はこう見えて

空手をやっていたことがある。


 前から来るパンチを2、3回避け、

蓮の方に向かっていた。

「玲華!」

 蓮も玲華の方に走っている。

それを見た瀬戸が、咄嗟に蓮を捕まえ、

奥の部屋に連れ戻そうとする。


 玲華はひたすら走ったが、目の前に

人が立ちはだかり、進むことが

困難になってしまった。

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