清皇学院記
 そう思うと、やはりお互いの

人としての見方が変わってくる。

ただの同じメンバーとしてなら、

普通に話せる。だけど、それを

通り越した感情を持って話すと

なると、今まで通りに接し出来るか。

 そして、校外学習当日。

蓮と玲華は、いつの間にか他の

メンバーとはぐれて、迷子に

なってしまった。右も左も

分からない、初めての土地で。

もちろん、事前学習をきっちり

していた玲華だったが、地図を

見ても、気持ちが焦ってしまい、

物事をうまく考えられないでいる。

「おい、科野。他の人は?」


 蓮は辺りを見回し、他のメンバー

を探している。

「分かんない…。ここどこ?」

「俺に聞くなよ」


 呆れたように蓮は笑い、

自分のカバンから何か取り出した

かと思いきや、それは禁止とされていた

ケータイだった。

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