清皇学院記
 もしかしたら、蓮にそれが悟られて

しまうのではないかと玲華は恥ずかしくなった。

「分かった、そこに行くから。…じゃ」


 蓮は玲華の方を見る。そこで目が合うと

玲華は顔から火が出る始末だ。


 蓮はケータイをカバンにしまい、

玲華にこれから、この通りの先にある

天和公園に向かうらしい。

「ほら、行くぞ」

「うん」


 玲華は少し情けなかったけど、

蓮がこうして助けてくれたことが

すごく嬉しかったのだ。

「康には」


 少し歩き出して、蓮が口を開いた。

「康にはケータイの電源常に入れとけ

って言ってあったんだ。助かったな」

「そうなの?」

「うん、まぁな」


 準備のよさがいいというか、

元々迷子のなるつもりだったのか

玲華にはよく分からなかった。


 天和公園が見えてきた。

そこには既に他のメンバーが到着していて

康介は人一倍に大きく腕を振っていた。
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