清皇学院記
 という思い出から、月日は経ち、

玲華は懐かしげにそれを思い出していた。

「何考えてるの。口元が緩んでるよ」

「えっ!?嘘」

 玲華の親友の李緒が一緒に

お弁当を食べようと、玲華の席に

やってきたのだった。


 玲華は咄嗟に口元を手で隠したが、

李緒に何を思い出していたか、

話すはめになってしまった。

「校外学習のことだよ」

「あぁ、アレか」


 蓮に告白されたことを李緒だけに

言ってある。というより、李緒と

一緒にいるときに呼び出され、

帰ってくるなり、何話していたのか

しつこく問われたため、玲華が

打ち明けてしまったのだ。

「返事、今日じゃなかったっけ」

「そうだよ、うん…」


 蓮からの告白の返事は今日の

お昼休み。そして今は4時間目が

終わり、あとは昼食だけとなっている。


< 8 / 56 >

この作品をシェア

pagetop