観察日記②
もうチョット優しい言葉かけられないのかね、あの連中は!

れっきとした被害者なんだぞこっちは。

まぁここに長居されても俺が困るんだけどさ!

こんなところでのんびりしてると折角の旬を逃しちまうからな。

とにかく家に戻って練り直さないと、そう思ってベッドから起き上がった。

上着を着るとそのまま病室を出たまでは良かったが

エレベータの前には、まださっきの刑事が…

やばいと思った俺はとっさに近くの階段を使うことにしたのだが

思ったより傷が深かったせいか麻酔の切れ始めた体が悲鳴を上げ始めた。

滴り落ちる脂汗!このままではやばい、足に全然力が入らない。

その時一人のナースが『何やってるの貴方』と大声をあげながら駆け寄ってきた。

こうして俺の脱走劇はあっけなく幕を閉じた。

どう足掻いても、この体で家に戻るのは不可能に近い。

しかし、パソコンが無くてはどうすることも出来ない!

しかたなく家に戻ることを諦めベッドで大人しくする条件で

パソコンを家から持ってきてもらうことにした。

見てろ!これからが俺の本領発揮だ!

これで終わると思うなよ!絶対、ヒーローになってやるからな。
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop