ブラックピース
コポコポコポ……という音を立てながら、お母様が紅茶をカップに注ぐ。
場所は変わってこちら中庭。
中庭にはお母様始め、使用人達が手入れしている花がたくさん咲き乱れている。特に今の時期は、シクラメンが美しい。
お母様は紅茶が入ったカップを、僕の目の前にコトリ、と置いた。
「今日の紅茶はアップルティーなんだけど……どう??」
僕がカップに口をつけた瞬間、お母様が自信無さそうにそう聞いて来た。
僕はカップをテーブルに置くと、咳払いをし、言った。
「上出来だよ」
「良かった……」
お母様は椅子に深々と腰掛けると、安堵のため息を漏らした。
お母様は色んな事を進んでやっている。
この紅茶だってそう、お母様が自分で林檎を絞って、自分でブレンドして、自分で淹れたもの。
「良くやるよね、ホントに」
僕は呆れ半分、尊敬半分な気持ちでお母様を見る。
「こういうのは、使用人達にやらせればいいのに」
「だって、他にやることがないんだもの」
お母様はそう言って苦笑する。
「ま、本人がやりたいんだったら、やれば?? でも、使用人がいる意味が無くなっちゃうよ??」
「いいのよ。 使用人達には楽して稼いでもらいたいから」
お母様はそう言ってふわりと微笑む。
「このお人好し」
僕はピシャリと言った。
場所は変わってこちら中庭。
中庭にはお母様始め、使用人達が手入れしている花がたくさん咲き乱れている。特に今の時期は、シクラメンが美しい。
お母様は紅茶が入ったカップを、僕の目の前にコトリ、と置いた。
「今日の紅茶はアップルティーなんだけど……どう??」
僕がカップに口をつけた瞬間、お母様が自信無さそうにそう聞いて来た。
僕はカップをテーブルに置くと、咳払いをし、言った。
「上出来だよ」
「良かった……」
お母様は椅子に深々と腰掛けると、安堵のため息を漏らした。
お母様は色んな事を進んでやっている。
この紅茶だってそう、お母様が自分で林檎を絞って、自分でブレンドして、自分で淹れたもの。
「良くやるよね、ホントに」
僕は呆れ半分、尊敬半分な気持ちでお母様を見る。
「こういうのは、使用人達にやらせればいいのに」
「だって、他にやることがないんだもの」
お母様はそう言って苦笑する。
「ま、本人がやりたいんだったら、やれば?? でも、使用人がいる意味が無くなっちゃうよ??」
「いいのよ。 使用人達には楽して稼いでもらいたいから」
お母様はそう言ってふわりと微笑む。
「このお人好し」
僕はピシャリと言った。