プリンス学院

「そうなのよ。」

私に笑顔を向けながら縁側まで近づいて来たのはママではなく、ママの隣に居たおばあちゃんだった。

「何か書いてあったの?」遺言の話しを私にしてくるという事は私についてなのかと思い首を傾げて聞いてみる。

するとママが口を開いた。
「鈴‥お爺ちゃんは貴女に行って欲しい学院があるそうなの。とても素敵な学院だそうよ?」

「学院‥?」

「うん。知り合いの方が学園長をしていて是非にって昔からお話していたそうなの。」

「‥。」

学校‥もう受験生で、私も進路を決めていた。
家から徒歩10分の学校‥。
確かにそこに決めてはいたけれど、別に何かが良いから決めた訳でもないし、私は少し考えて頷いた。
< 5 / 47 >

この作品をシェア

pagetop