女王様とおよびッ!
「私…」
「すんません、俺帰ります!」
杏奈さんが何か言おうとしたのを遮って、俺はジャケットをはおった。傘を持ってろくに荷物もまとめず会社をでる。
先輩は駅まで歩きだから、まだまにあうだろ。
てか、なんで俺こんな必死なわけ?これで先輩がカフェとかで雨宿りしてたら、どーすんだよな。
駅までの道を、小走りにたどる。さすがに店とかはのぞけないけど、一応公園とか空き地なんかも覗く。
『風間公園』、俺は足をとめた。遊具がほとんどないうえに狭い。こんなとこあったんだな。
その公園のベンチに、ビジネススーツの女の人が座っていた。雨がふってるのに、傘もささないで。