女王様とおよびッ!
「ちょ、離して!」
先輩が俺の腕から逃れようと、体をひねる。
そんな抵抗で、この華奢な体が男から逃れられると?
「離さない。」
耳元でいつもより低い声でいうと、緋口先輩は一瞬ひるんだ。
それをいいことに、俺はより強く抱きしめた。
「もっと頼れよ…」
口から零れおちる気持ち。
「強がんなよ。」
「無理すんなよ。」
「心配かけんな。」
雨で聞こえないなんて言わせない。
「俺は、ずっと傍にいるから。」
今までの部下みたいに、勝手にやめたりしねーよ。
「独りに、しないから。」
ずっとずっと、傍に、一緒にいる。