モスキートーン
1章 制服
「わぁ、陽菜花ー。その制服、似合ってるよ!!」
嘘くさい。

いつからだろう…?

こんなにもこの人の言葉が、嘘くさく聞こえるようになったのは。

やっぱりあの事実を知ってからかな。

「お母さんと血がつながってないっ!!?」

今までずっと家族だった人が赤の他人だった。

お父さんと私のお兄ちゃんだけが私の本当の家族なんだって。

お父さんが私が中学生になったのをきっかけに教えてくれたんだ。

ひどすぎるよ。

その日から私は学校をサボるようになった。

ケガしたとき、優しく手当てをしてくれたお母さんは赤の他人。

料理を花嫁修業とか言って教えてくれたお母さんも赤の他人。

ぜーんぶ、嘘だったんだ。

そして決めたんだ。

もうこの人の言うことは信じないんだ、って。

裏切られて傷つくのは自分だから。

お父さんが厳しいことで有名な私立中学に裏口から転入させたのはきっと
私がこれ以上

ぐれて悪く方向へ進まないためなんだろうけど

正直、いい迷惑だったよ。

ま、制服可愛いから別にいいけど。

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