魔女の瞳Ⅵ
それでも空は泣き出す事なく、無事に私達を洋館まで辿り着かせてくれた。

…ゴロゴロと雷鳴が唸り声を上げ、時折微かに空が光っている。

私の洋館に来る客というのもついていない。

もしかしたら雨男か雨女なのかしら。

しかもとびっきりの…ね。

そんな事を思いながら、私は洋館の門を潜った。

続いて修内太。

彼が初めてこの洋館に来た時は結界に驚いていたりしたものだけど、今では洋館の結界も修内太の事を覚えたらしく、顔パス。

恐らく修内太が、一番多くこの門を潜った来客という事になるだろう。

私と長老以外に結界を反応させずに入れるのは、修内太しかいない。

そういう意味では、彼は最早私の家族に近い存在だった。




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