魔女の瞳Ⅵ
洋館の扉に手をかける。

その時になって初めて。

「!?」

私は異変に気づいた。

「どうした?」

扉の前でかたまる私を、修内太が覗き込む。

「……」

私は修内太の顔を見た。

「開錠されてる…」

これは、ただ鍵が開いているという意味ではない。

『施錠』の魔術は、ただ『開錠』の魔術を行使すれば開くというものではない。

同じ人物が『開錠』しなければ、『施錠』の魔術は開錠できないのだ。

鍵が違えば扉が開かないのと同じ理屈。

魔術による施錠は、ある意味音声認証や指紋認証と同じなのだ。

つまりこの扉は、私…四門メグでなければ開ける事は出来ない筈…。

それができるとすれば…ただ一人。

私は慌てて扉を開け、中へと駆け込んだ!

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