魔女の瞳Ⅵ
修内太が見ている。

驚いたような、期待に満ちたような、でも困惑したような表情で。

困惑しているのは私も一緒だ。

耳まで赤くなるのが自分でもわかる。

両手の指が所在無さげに綾取りを始め、視線は目標を見つけられずに虚空を彷徨う。

「じゃあ」

お母様の視線が修内太の方に向いた。

「修内太君はどうなのかしら?」

「……っ…」

修内太の方も、反応は似たようなものだった。

彼は私の反応に加え、何十キロ走ってきたのかと言わんばかりの発汗。

見ていて気の毒なほどだった。

「うふふふふ…」

口元を押さえ、お母様が笑う。

「初々しいわね二人とも…でもあんまりいじめても可哀相かしら…」

彼女は私と修内太の手をとり、握らせた。

修内太は掌にまで、びっしょり汗をかいていた。

「私の今回来日した本当の用件はこれよ…可愛い娘の未来の旦那様を見定めにきたの…うん、申し分ないわね」

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