魔女の瞳Ⅵ
だけど。

私はジルコーという人外をよく知っている。

彼はある意味、修内太と同じ人種なのだ。

相手がどんなに地位のある者だろうと、実力に雲泥の差がある者だろうと、その考えに賛同できなければ対立する。

勝算とか打算で行動しない。

己の信念のみで動く。

彼は誇り高き人狼なのだ。

「悪いな。四門メグに頼まれた以上」

ジルコーは地面に両手をつき、獣さながらの四足歩行で前傾姿勢をとる。

「ここは通さねぇ」

「……」

ジルコーに続き、桜花もお母様の前に立った。

「あら…デッドゲイトの分家の貴女まで?」

お母様に言われ、桜花は視線をそらす。

しかしその意思は変わらない。

「申し訳ありません、サリィ様…でも…」

桜花の言葉に決意がこもる。

「私はメグさんの力になりたいんです」

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