魔女の瞳Ⅵ
桜花の盾となって魔力を枯渇させられたジルコーは、そのまま崩れるようにして倒れる。
「ジルコォォォッ!」
桜花が力なくグッタリとしたジルコーにしがみついた。
「いやあっ!ジルコーいやですっ!いやぁああっ!」
彼の銀色の体毛を握り締めて体を揺さぶるものの、反応はない。
二十近い光球…『枯渇』の魔術の直撃を食らったのだ。
極限まで魔力を吸い上げられた筈だ。
その命も風前の灯といえるだろう。
「諦めなさいな、桜花さん」
お母様が後味の悪そうな表情で言う。
「私に盾突いたとはいえ、ジルコー君は大した騎士道精神の持ち主だわ…貴女の身を案じて自ら『枯渇』の魔術の壁となるなんて…いいパートナーを持ったわね」
そんなお母様の言葉も、桜花には届かない。
桜花は今にも息絶えそうなジルコーの体を抱きしめ、ひたすらに泣きじゃくる。
「やだ…ジルコー…死んだらやだ…」
心から慕っていた相棒の瀕死の姿に、桜花は覚悟を決める。
「死なせない…どこにも行かないで…ジルコー…!」
「ジルコォォォッ!」
桜花が力なくグッタリとしたジルコーにしがみついた。
「いやあっ!ジルコーいやですっ!いやぁああっ!」
彼の銀色の体毛を握り締めて体を揺さぶるものの、反応はない。
二十近い光球…『枯渇』の魔術の直撃を食らったのだ。
極限まで魔力を吸い上げられた筈だ。
その命も風前の灯といえるだろう。
「諦めなさいな、桜花さん」
お母様が後味の悪そうな表情で言う。
「私に盾突いたとはいえ、ジルコー君は大した騎士道精神の持ち主だわ…貴女の身を案じて自ら『枯渇』の魔術の壁となるなんて…いいパートナーを持ったわね」
そんなお母様の言葉も、桜花には届かない。
桜花は今にも息絶えそうなジルコーの体を抱きしめ、ひたすらに泣きじゃくる。
「やだ…ジルコー…死んだらやだ…」
心から慕っていた相棒の瀕死の姿に、桜花は覚悟を決める。
「死なせない…どこにも行かないで…ジルコー…!」