魔女の瞳Ⅵ
魔女の肉体には魔力が蓄積されている。

私や修内太の呪眼もそうだし、中には爪や歯、骨に魔力を蓄積しておく魔女もいる。

そして桜花の髪の毛もそうだ。

『枯渇』の魔術によって魔力を吸い上げられたジルコーだったが…。

「う…くぅうぅ…」

桜花の髪を体内に取り込む事で魔力を補給し、辛うじて一命をとりとめた。

「ジルコー…!」

桜花が目を輝かせる。

「やっぱ…思ったとおりだ…」

ジルコーは疲れきった顔のまま、微かに笑って見せた。

「お嬢ちゃんの髪…うめぇ…極上の味だぜ…」

「はい…はい…!」

桜花は何度も頷く。

「ジルコーに食べてもらう…約束しましたもんね…」

彼女は何とか息を吹き返したジルコーにしがみついた。

「どこにも行かないで下さい…ジルコー」

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