魔女の瞳Ⅵ
人間と魔女は相容れない。

私が身を以って知った事。

「だから修内太君を貴女の花婿にするには、人間のままでは受け入れられないの。魔道の世界に彼が来るにしても、人間の世界に貴女が入るにしても、どちらにしろ迫害は免れない。愛娘と、その娘が愛した男…その二人がそんな辛い思いをするのを、母親としてどうして見過ごせるの?」

お母様の言う事は一理あった。

所詮は光と闇に生きる者同士。

祝福されて、受け入れられる訳がない。

ならばこそ。

「だから言った筈です、お母様」

私は自分の決意を揺るがせないよう、もう一度言葉にした。

「私はデッドゲイト家よりも修内太の方が大事…同じ迫害されるなら…私が当主の座を捨てて、人間の世界で迫害されながら生きます…!」

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