魔女の瞳Ⅵ
もう何も言わなかった。

お母様は右手に氷の剣を発生させ、ビュンと空を斬る。

「最早話す事はないわ。その四肢を切断し、動きを封じてでも貴女はヨーロッパに連れ戻します。無論、人外化した修内太君もね…」

「……」

その威圧感に息を飲む。

数々の伝説を築き、闇の世界にデッドゲイトの名を轟かせた魔女帝、サリィ・デッドゲイト。

その魔女帝が、遂に本気になった…!

「私にとっても愛娘の貴女の意思は尊重してあげたかったけど…その答えがデッドゲイト家断絶も厭わずというのならば捨て置けないわ。少し甘やかしすぎたようね…帰ったら魔女裁判以上のお仕置きは覚悟しておきなさい」

「お断りします…お母様」

私は真っ向からお母様の怒気を受け止め。

「      」

『氷刀』の魔術で右手に氷の剣を発生させた。

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