魔女の瞳Ⅵ
下駄箱で靴から上履きに履き替えながら。

「ねぇ修内太、放課後何か予定ある?」

私は彼の背中に問いかける。

「ん?」

振り返る修内太。

この時、何故だろう…私はザワザワと胸騒ぎを感じていた。

修内太に何か用事があって、私の誘いを断って欲しいと考えていた。

確たる理由がある訳じゃない。

ただ…子供じみた言い方だけど、『嫌な感じ』がしたのだ。

だけど。

「いや、別に何もないけど…何?」

私の思いを他所に、修内太はケロッとした顔で答えた。

…こちらから予定を聞いておいて、何でもないと断るのも不自然だし、私が修内太を意識していると思われるのも何だか癪だった。

出した話を引っ込めるのも、修内太としては気持ち悪いだろう。

「ん…」

少し躊躇しつつ、私は今朝長老が言っていた通りの話を修内太に伝えた。

< 7 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop