heaven
彷徨い行き場を無くした霊魂を狩り、
それを喰らうなり
上官に差し出すなりして生計を立てている。
列記とした 「魔」 なのである。
「嗅ぎ付けるのが早いな」
「あたりまえじゃないのぉ。
このキール様 情報は早いんですよ」
軽く下唇を舐めて、
キールはキョロキョロとあたりを見回した。
「おやおや?
今日はキラと一緒じゃないの?」
「キラは……」
「わぁかってるよぉ。
…… 魂を連れ戻しに行ったんだろ?」
キールは紅い瞳を光らせて笑った。
不気味で、リフは一瞬ひるむ。
「……」
「そぉこなくっちゃぁ、ねぇ
……ヒヒヒヒ、ヒヒヒヒヒ」
キールはトチ狂ったようにけらけらと笑い出す。
「あいつが働いてくれなきゃ
僕も張り合いが無いってもんさ」
「……行くのか」
「あったりまえでしょぉ……。
僕にもオシゴトってものがあるの!」
純粋な子供の魂なんてレアじゃない、とキールは笑った。
リフは屈託の無い笑顔に刺さるような視線を向ける。
「外道め」
「あら!ヤだ」
ふふふ、とキールは笑う。
そして、たまたま近くを通りかかった鳥の霊魂を鷲づかみにし、
リフに差し出してみせる。