heaven
キラの顔をよく見てみると、
その長いまつげには
うっすらと涙がにじんでいた。
……うわごと?
リフはそのキラの肩を
大きく揺すった。

「おい、起きろ
……キラ!」
「……ッ!」

ぱちり、と深紅の目が開く。
白い頬から銀の髪が滑り落ちた。
そのまま上体を起こすと
、気怠そうに頭を押さえ
、自分を起こした張本人の顔を見た。

「……おはよ、リフ」
「…どうかしたか……?
お前」
「ううん、
……なんでも ない」


ふぅ、とため息を付くと、
キラはそのまま後ろに倒れ込んだ。

「おい、お前また寝る気か?」
「うー……
もう少し……寝かせてよ」

休日に子供が起こしに来たときの
父親がとるリアクションじゃないか、と
リフはため息を付いた。
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