heaven
幻
それを
幻と割り切れたなら
苦しみも 悲しみも 悔みも 消すことができたのだろうか。
答えは未だ
見つからない
「……ラ、 キラ」
遠くから声が聞こえる
それは、……誰の声?
----------------------------------
「キラ先輩」
金の髪の彼が後ろから付いてくる。
守護天使としての活動を始めて間もない彼は
キラを慕っていた。
大天使であった 「キラ」 を
「どうした?リフ」
「西の巡回は終えました。
ところで、俺は天界の巡回のみで構わないんですか?」
「ああ、構わないよ。もう少し研修を積んでからのほうがいいから。
下界に降りるのはそれからでも遅くない。
自分のペースで進めるといい」
笑いかけると、リフも笑い返す。
「そうですね。……ええと…
俺、次は何をすればいいかな」
気の利かない奴ですみません、と苦笑いをして
リフは頭をかいた。
キラはその様子に少し笑って答える。
「大丈夫。このあたりの巡回はもう済んだよね?
そろそろ、お茶にしようか。君も疲れただろ?」
良い喫茶店があるんだよ。と
近場の小さな店に足を踏み入れる。
素朴な紅茶の香りと
迎え入れる優しげなおばあさんの声
窓際の小さな花。
「ダージリンと…リフ、なんにする?」
「じゃあ、俺コーヒーで…」
店主のおばあさんが優しくうなずいて
コーヒーの豆を挽く。
紅茶の茶葉がすれる音が聞こえる。
穏やかな午後のひと時だった。
「ところで、リフ、知っているか?」
「何を、ですか?」
カタン、と音をたててコーヒーカップとティーカップがテーブルに置かれた。
品のいい香りが部屋を包み込む。
何気ない会話の一端と思った矢先
幻と割り切れたなら
苦しみも 悲しみも 悔みも 消すことができたのだろうか。
答えは未だ
見つからない
「……ラ、 キラ」
遠くから声が聞こえる
それは、……誰の声?
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「キラ先輩」
金の髪の彼が後ろから付いてくる。
守護天使としての活動を始めて間もない彼は
キラを慕っていた。
大天使であった 「キラ」 を
「どうした?リフ」
「西の巡回は終えました。
ところで、俺は天界の巡回のみで構わないんですか?」
「ああ、構わないよ。もう少し研修を積んでからのほうがいいから。
下界に降りるのはそれからでも遅くない。
自分のペースで進めるといい」
笑いかけると、リフも笑い返す。
「そうですね。……ええと…
俺、次は何をすればいいかな」
気の利かない奴ですみません、と苦笑いをして
リフは頭をかいた。
キラはその様子に少し笑って答える。
「大丈夫。このあたりの巡回はもう済んだよね?
そろそろ、お茶にしようか。君も疲れただろ?」
良い喫茶店があるんだよ。と
近場の小さな店に足を踏み入れる。
素朴な紅茶の香りと
迎え入れる優しげなおばあさんの声
窓際の小さな花。
「ダージリンと…リフ、なんにする?」
「じゃあ、俺コーヒーで…」
店主のおばあさんが優しくうなずいて
コーヒーの豆を挽く。
紅茶の茶葉がすれる音が聞こえる。
穏やかな午後のひと時だった。
「ところで、リフ、知っているか?」
「何を、ですか?」
カタン、と音をたててコーヒーカップとティーカップがテーブルに置かれた。
品のいい香りが部屋を包み込む。
何気ない会話の一端と思った矢先