【短編集】communication
でも、穂積さんには最愛の彼女がいるみたい。


たえさん。


穂積さんの友達が言ってた。


別に私と穂積さんの間にそんな関係は生まれない。


自信がある。


私は、まだ水人と会っていない。


彼もまた有名らしい。


なにが有名かは知らないけど。


噂でチラッと聞いた。


けど、会う機会がない。


偶然あってもおかしくないのに。


そして、今日もサークル活動が終わり穂積さんと話をしながら帰ろうとした。


今日は、兄の過去を知りたかった。


私たち家族以外での兄を知りたかった。


今までは、兄との関係をどうしたらいいかだった。


ちょっと前に進んだのだ。


「おい。水人。」


穂積さんが叫んだ。


水人？


まさかね。


名前を呼ばれた彼が近づいてくる。


本物だった。


本物って、おかしいけどね。


「あっ！穂積さん。....と、星羅？」


水人は、びっくりしていた。


「２人は知り合いか？」


穂積さんは、聞いてきた。


「はい。高校の先輩で元彼です。」


冷静に答えた。


「なんだ。水人は、星羅が....」


穂積さんはなにか考えていた。


イヤな予感がした。


「穂積さんと水人も知り合いなんですか？」


「あぁ。俺のアパートの隣でバイトも一緒なんだよ。」


「へぇ」


「星羅は.....」


水人は、戸惑っていた。


たぶん、私と穂積さんの噂を知ってるんだろうな。


私だって、もう遅いと感じていたから。
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