【短編集】communication
「遅かったな」


父は呑気に言った。


「実は、話しておきたいことがあります。」


平太は、話を切り出そうとした。


「平太、どうしたの?」


平太のお母さんは心配そうだった。


「俺と千鶴は、ただの同級生じゃなくて......恋人同士なんです。」


「「えっ?」」


衝撃告白。


親たちは、口が開いたまま塞がらないでいた。


「千鶴は、千也さんの事を考えて別れようって言われたけど....俺が、無理なんです。普通の兄妹になるとか....」


「千鶴、本当かい?」


「だって...父には幸せになって欲しいから。平太を好きでも諦めた方がいいのかなって....」


どうしようもない空気が流れた。
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