【短編集】communication
「灰二、ごめんね。今日は、私なのに。」


月乃が来た。


「別にいいよ。」


灰二は、素っ気なく答えた。


「今度、朋ちゃん、連れてきてね。」


月乃は、笑顔で言った。


「ねぇ。灰二くんの彼女って、私たちと同じ大学なの?」


照美が話を割り込んできた。


「そうなんッスよ。」


灰二は、照れた。


「照美も見たことあるでしょ?大学にある図書館でお手伝いしてた子。」


「あっ!もしかして、髪がストレートロングでスタイル良さげな子?」


「そうよ。照美が騒いでた子よ。」


私は、教えてあげた。


「めっちゃ、いい子とつき合ってんじゃない。」


「けど、あいつ見た目と違って根暗なんですよ。てか、俺がいないとこでかわいい格好とかしないでいいし....」


灰二は、最後の方は声が小さくなりながら文句を言っていた。


「灰二は、朋ちゃんしかいらないからね。」


月乃は灰二をからかった。


「姉さん、それ言わないで。」


灰二は、困ってしまった。
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