【短編集】communication
一週間後、史也は月乃を呼び出した。


これで最後だからと。


「史也....」


「月乃、ごめんな。俺のせいで....」


「プロポーズの事ならいいよ。」


「違う。」


「えっ?」


わからなかった。


それ以外で史也が謝る理由なんてないから。


「俺と月乃は、あの飲み会が初対面じゃないんだ。」


「嘘。私、知らないわよ?」


月乃は、全くわからなかった。


「最初は、ただ忘れてるだけだと思った。だから、思い出させようって。けど.....灰二から、聞いたんだ。俺の事、記憶ごと抹消してるなんて.....」


「何を言ってるの?」
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