【短編集】communication
イヤだ。


私は、価値がない。


落ちるのは、早かった。


私は、学校へは、行かなくなった。


家は、比較的干渉しない。


自分で理解して行動しろ。


よく、親に言われる。


だから、休んでも何も言わない。


ただ、お母さんが独り言のように呟いた。


「逃げるだけが人生じゃない。立ち向かう勇気だけが救うときがある。人は、悩み苦しむ生き物だから。」


心に響いた。


悩んだり苦しむのは当たり前で。


それをどうするかだ。


私は、どうする気もない。


なら、変わらなくていいんだ。


簡単なことだった。


変わらなきゃいけない。


そう思ってた。


けど、それは思いこみだった。


ただ、変わろうとして変わるんじゃなくて。


前に進んだら、変われる。


簡単なこと。


次の日から変わらず学校へ行った。


光とは、なんとなく距離を置いた。


ただ、自分から話しかけなくなっただけだけど。
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