【短編集】communication
「ねぇ。寺っち。」


「なんだよ。照美ちん。」


「私、どうしたらいい?」


私は、仲のいい男友達に相談中。


このまま光との距離をあけるのに違和感がでてきたから。


「光な。仕方ないよ。なあ、俺とつき合わない?」


「じょ、冗談。」


私は、テンパった。


「マジだよ。」


寺っちは、私を見つめ真剣に言った。


「け、けど....」


「俺は、照美が光を好きなのを知ってたから応援してた。俺はそんな照美が好きだから。けど、こんな状態なら....」


寺っちは、本気に...


寺っちは、私を抱き寄せた。


「て、寺っち?」


「俺じゃ、ダメか?俺なら...」


私は、どうしていいかわからなかった。


こんな事、はじめてだから。


「寺っち、はなれて。私....」


「照美、かわいい。マジ、俺のになって....」


「私に、そんな魅力ないよ。」


悲観的な私。


だって....


「なあ、お試しでいいからさ。照美は、光を忘れたいんだろ。けどさ。今のままじゃ無理ってわかってんだろ。」


「寺っちとつき合ったら変われるのかな?」


「変わろ?」


優しい。


好きになれるかな。


「変わりたい。」


-チュッ


ほっぺにキスされた。


「わりぃ。フライングしちまった。」


寺っちが照れた。


「いいよ。けど....」


「照美が俺を好きと思えるまで手は出さない。けど....ハグだけ許して。」



「うん。」


私は、笑顔で答えた。


私と寺っちはお試しでつきあい始めた。
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