【短編集】communication
毎日の電話やメール。


そして、つきまとい。


朋が日に日に弱っていくのは、誰が見てもわかるほどだった。


朋の両親が警察に行こうとしたが...


朋が止めた。


彼は、苦しんでいるからと。


理解していたから。


だから、受け止めようとした。


けど....


朋は、倒れてしまった。


朋の母は、朋の意見を尊重し相手を調べて直接家を訪ねた。


朋の母は、写真、朋の携帯、通話記録と証拠を持って行った。


彼の責任もあるが、親の責任もあると思い始めたからだ。


智希の母は、青ざめた。


自分の子は、親の期待を答えてくれる優しい子と思っていたから。


期待をかけすぎた。


朋の母は、提案した。


一度、話し合いをしてからで。


最良の選択をしたかった。


最良の選択=朋の前からいなくなる。


そのとき、智希の母は、再婚が決まっていた。


最初は、みんなで引っ越して新たなスタートをしようとした。


けど。


智希は、一人になり考えたかった。


朋に酷いことをしたのは理解していたから。


けど、彼女の優しさを求めて追いつめてしまった。


結果、智希は留学した。


もとから、留学したいとは思っていたが、タイミングがなかった。


冷却期間を兼ねた留学。


彼がいなくなったことで朋は徐々に元気を取り戻した。
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