【短編集】communication
俺と朋ちゃんは、朋ちゃんの最寄り駅で降りて近くの公園のベンチに座った。


緊張する。


こんなん初めてだし。


「灰二くん。話って?」


「えーっと。俺、朋ちゃんが好きだ。」


俺は、あれこれ考えても仕方ないと思いストレートに言った。


「.....冗談?」


朋は、信じられないようだった。


「俺は、朋ちゃんの名前を知らない時に一目惚れしたんだ。あの時間のあの車両で。それから、ずっとあの電車に乗れる日は乗っていたんだ。知らなかったでしょ。どうにか近づきたいけど無理で。一昨日、電車に乗れない日に奈美がたまたま電車乗って、朋ちゃんの友達って判明した。嬉しかった。運命感じた。で、今に至るわけだよ。」


俺は、すべて話した。


「私は.....そんなんじゃ」


「聞いたよ。仁菜から。」


朋は、青ざめた。


「俺が君を守っちゃダメなのか?」


「....私。....怖かったの。...逃げたかった。....けど、できなかった。」


朋は、震えだした。


俺は、優しく抱きしめた。
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