【短編集】communication
「これからは、俺が守るから。つきあって。」


朋は、縦に首を振った。


答えは、イエスだった。


「えっ?いいの?」


灰二は、テンパりだし抱きしめてたのを離した。


あっさり、OKになると思わなかったから。


「私、灰二くんの事きっと好きだよ。私、あなたが電車乗るようになってから気になってたもの。」


「マジィ」


俺は、舞い上がってしまった。


想いが通じ合って嬉しいなんて初めての出来事で。


俺は、朋を強く抱きしめた。


「灰二くん。痛いよ。」


朋が痛がると抱きしめる腕を緩めた。


「ねぇ。灰二って呼んでよ。朋って、呼びたいから。」


朋は、顔を真っ赤にした。


「はい...じ?」


「なんで、疑問系?」


「だって、こんな事初めてだから。」


「なんかあったら、俺を呼んでいつでも朋の所に行くから。」


「灰二がいたら、強くなれるかも。」


朋は、微笑んだ。


「強くならなくていいよ。俺がいるんだから。毎日、一緒に帰ろうな。あと、くん付けするなよ。」


「灰二、ありがとう。」


「朋、かわいい。ヤバい。」


灰二も顔を真っ赤にしていた。
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