【短編集】communication
その日のお昼に変なことを友達の音に聞かれた。


「うたって、まだ悠太とつき合ってるんだよね?」


「えっ?あっ。たぶん。」


私は、聞かれたことに吃驚したけど、ちゃんと言えなかった。


「じゃあ、なんで夜都と帰るの?」


「ヒマだから?」


私は、曖昧に答えた。


意味がわからないよ。


私の答えに音はありえないって顔をした。


「あんた、夜都と悠太の気持ち考えたことあるの?」


説教されてるの?


「言ってる意味....わかんないよ。悠太は、クラスが変わったらそっけないし。夜都くんだって、今日初めて誘われたし....」


私は、頭の中がこんがらがっていた。


「うたはなんにもわかってないよ。」


音に何でここまで言われなきゃなんないの。


「音だってわかってないよ。私の気持ち。悠太が急に冷たくなるし、どうしたらいいかなんてわからないよ。」


なんか泣けてきた。


だって、初彼だよ?


初めてな事ばかりでわからないんだよ。


「うたは、悠太が好き?」


「好きだよ。じゃなきゃ、今までつき合わないよ。」


「な〜んだ。なら、悠太に言いなさい。」


音は、楽しそうだった。


「言わない。もう、いいの。悠太は、誰か好きな人できたんだよ。じゃなきゃ、急に冷たくなるわけないよ。」


「えっ?それは、だめだよ。だって....」


音は、何か知ってるようだったけど、教えてくれなかった。


私は、だから決意したんだ。


別れを。
< 17 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop