【短編集】communication
「沼田、最近どうしたよ。」


私は、寺井と2人で教室にいる。


ほかは、誰もいない。


「知らない。」


だから、冷たくなる。


自分でなにがしたいかわからない。


「お前も素直じゃないんだな。」


「もって、なによ?」


私は、食いついた。


さっきまで、そっけなかったのに。


「あいつも。照美もそうだからさ。わかってたんだ。あいつが、光を忘れるはずないって。歴史が違うから。」


「あんた、当て馬?」


「はっきり言うなよ。仕方ないだろ。素直になれない同士をくっつけるにはよ。」


寺井は、苦笑いを浮かべた。


「自分を犠牲にしてまでよくやるよ。」


私は、呆れていた。


「俺は、好きな奴が幸せになればいいんだよ。」


ちょっと、羨ましいじゃない。


しかも、かっこいいじゃん。


てか、悔しいよ。


寺井に想われて。
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