【短編集】communication
「ね〜ねちゃん」


突然、他校の男の子に声かけられた。


この前、紹介された人だった。


彼の高校と試合だったのかと一人納得した。


「なんですか?」


「考えてくれた?」


告白されてそのままだった。


「ごめんなさい。」


「やっぱ、忘れられないんだ。まだ、諦めないから。今日のところは、じゃあな。」



「ねね。」


彼がいなくなってすぐ、また名前を呼ばれた。


「つ...るぎ?」


まさかだった。


「今の誰?」


「へっ?」


突然、話しかけてそれなの。


「まさか、彼氏とかじゃないよな?」


おかしいの?


私に彼氏いたら。


「べつに....誰だっていいじゃない。」


なぜかうまくいえない。


だって、1年もたったんだよ。


「よくねぇよ。俺は、別れたつもりはないのによ。ねねは、違うのか」


「だって...だって....」


涙が出た。


「あのままいたら、またねねを傷つけるからさ。」


「私、後悔してた。あの日、怖がらなかったらって。そしたら、今も一緒だったんじゃないかって。」


涙が止まらないよ。


「俺が、悪いんだよ。ねねの気持ちを考えなかったのが。」


「違うよ....」


私は、戸惑うばかり。
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