【短編集】communication
「冗談やめてよ。彼女をつくれって言ったけどさ。イトコだよ?」


「俺がこっちに残れた理由知ってる?」


「意味わかんない。なにがいいたいのよ。」


私をからかって楽しいのかな?


「俺が残るのさ。あの時より前に決まってたんだよ。初音以外は知ってたんだ。」


「?」


私は、首を傾げた。


「俺が初音を好きなのさ。みんな知ってんだよ。」


「私、環なんて好きじゃない。」


「だから。チャンスをくれたわけよ。ここに入れる間にちゃんとしろってことさ。」


「....。」


私は、なにも言えないよ。


「なんか、言えよ。」


「私なんかやめた方がいいよ。私は、誰も好きにならないから。」


環は、理由を言わなきゃ諦めないのかな?


家族だって知らない。


「これから先、変わるかもしれないだろ。」


「言い方変えるね。私は、人を好きになっちゃイケないの。幸せになる資格なんてないんだよ。」


私は、つらくて俯いた。
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