【短編集】communication
「ひばりは、まだ時間大丈夫なのか?」


時間が遅くなるにつれて彼は時間を気にするようになった。


彼との楽しいひとときももう終わり。


「あなたには、関係ない。」


私は、さっきまでの雰囲気をぶち壊し冷たい態度をとった。


現実に引き戻された瞬間でもあったから。


「まだ、時間あるなら来いよ。」


彼は、またも有無を言わさず私の手をひいた。


強引な彼に従う私。


いろんなはじめてを体験する。


今度、着いた場所は。


小さなカフェ。


こじんまりとしてて落ち着いた雰囲気。


「宗、いらっしゃい。今日は、きれいな方が一緒だな。」


宗は、常連みたいで慣れたように席に案内された。


「佐井さん。いつものお願い。」


宗がそういうとあっと言う間にディナーメニューが出てきた。


「お待たせしました。」


「なんか、いつもより...」


「そりゃ。こんなきれいな方がいるなら」


宗は、呆れた。


私は、ずっとだまったままだった。


「ゆっくりしてって。」


そういうと、佐井さんは、いなくなった。
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