【短編集】communication
「ひばり、今日は....」


「パパ、わかってるから。」


私は、両親とお見合いをするホテルに向かった。


ママに着物にしなさいと言われたけど。


いいなりにならなかった。


私にしたら、ボロが出そうだから。


「拓真。」


「おぉ。宗介。」


パパたちは、昔からの知り合いみたい。


「ひばりちゃん。久しぶり。」


パパに宗介と呼ばれた人が私に挨拶する。


「.....。」


私はわからず首を傾げる。


「会ったのは、ひばりちゃんが小さい頃だしな。」


「宗介。宗くんは?」


「一緒に来てないんだよ。だけど、あんなに嫌がってたのに急に変わったんだよ。」


「まあ、いいことじゃないか。」


パパと宗介さんは、嬉しそうだった。


「ひばり。パパと宗介くんはね。昔からの友達なのよ。2人とも家系がね。だから、唯一の自由に、子ども同士を結婚させようになったのよ。」


ママが話してくれた。


私は呆れた。


子どもは、親のおもちゃじゃない。


けど、あきらめたけど。


宗介さんの子どもと結婚してうまくいけばいいんだから。


「ひばりちゃん、うちの宗がわりぃね。」


なぜか謝られた。


私は、待たせてることだと思った。


「いえ。」


控えめにいうしかなかった。
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