【短編集】communication
「ふ、風?」


そうだ。


今、ひばりと一緒だったんだ。


「ごめん。トリップしてた。」


「いつもの事だからいいよ。」


「ははっ。」


私っていつもこんなだっけ。


そうだね。


ひばりといるとこうなっちゃうんだ。


「風、大丈夫?晴夜くんとのことと私たちを重ねたんでしょ?」


「うん。」


ひばりってすごいな。


人のことをわかってあげれる。


「私と宗は、特別よ。偶然が重なり合っただけ。風と晴夜くんみたいな絆はまだないわ。」


「わかってる。だけど...」


「風は、晴夜くんと将来の事話してる?」


私は、首を横に振った。


「じゃあ、こんなとこで悩んでないで、晴夜くんのとこ行きなさい。」


半ば強引にひばりの家から追い出された。
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