【短編集】communication
「慣れないでよ。ヘレナには、俺だけに慣れてほしいのに。」


話が噛み合わない。


「.....私、行きますね。」


これ以上一緒にいてもどうにもならないと思った。



「ちょっと、待ってよ。」


腕を捕まれた。


「今、彼氏いないんだよね。」


「いるわけないでしょ。いじめる男子しかいないんだから。」


男は、信用ならない。


「あいつらバカだよな。好きな子をいじめるとか小学生並なことをよ。」


澄人は、呟くように言った。


「なに?はっきり言ってよ。」


「イヤイヤ。こっちの話。」


「私は、あなたに興味がある女の子たちとは、違うの。」


「どうしても、ダメ?」


澄人くんは、かわいく聞いてきた。


ちょっと、キュンとなったけど。


「わ、私は....」


ドキドキしてきたよ。


私ってギャップに弱かったの?


私は、動揺し始めたので下を向いた。


そのとき、澄人くんがニヤッてしたのを全然知らなかった。
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