【短編集】communication
「俺は、本気でヘレナが好きなんだよ。信じて?」


私の手を握り真剣な眼差し。


なんか頷きそうになる。


こんな時、どうしたらいいの?


わからない。


わからないよ。


「マジのマジで冗談じゃないんだよね?」


どうしても信じられないし。


「なんで、信じてくれないわけ?」


澄人くんは、悲しそうに言った。


「私のどこがいいかわからないから。」


「はぁ。ヘレナは、かわいいよ。とてもとても。俺のものにできたら、閉じこめてどこにもだしたくないくらい。」


澄人くんは、ため息をつきながら言う。


「ほんとにそう思ってくれてるの?」


私は、下から澄人くんを見た。


必然的に澄人くんには、上目遣いな感じ。


澄人くんの顔が真っ赤になる。


「当たり前だろ。」


こんなあからさまな態度は嬉しい。



「じゃあ、そばにいて?」


自然にこう言ってた。


「じゃあ、つき合ってくれるんだね。ヘレナ。」


澄人くんは、すごい嬉しそう。


「え、えぇ?」


改めて考えるとそうなんだよね。


どうしよう。


私の顔が真っ青になるのが自分でもわかる。
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