【短編集】communication
「どうかしたの?」


「保奈美ちゃん。ごめん。」


静也がいきなり謝った。


「なにが?」


「あの日、キスしたの俺なんだ。」


保奈美は、目を見開き信じられないって顔をした。


「ほんとに静也くんなの?」


「あの日さ。公園で絡まれてる女の子を見て見ぬ振りしそうだった。変なとばっちりを受けたくなかったから。だけど、保奈美ちゃんで。なりふり構ってられなくなった。保奈美ちゃんが好きだから。」


静也から告白。


「よかった。顔も名前も知らない人じゃなくて。あのときは、ありがとう。」


保奈美は、お礼を言った。


保奈美は、無意識に告白をスルーした。



「保奈美ちゃん。あのさ。.....。俺、告白したんだけど.....」


「えっ?」


保奈美は、あわててさっきの言葉を思い出していた。


『あの日さ。公園で絡まれてる女の子を見て見ぬ振りしそうだった。変なとばっちりを受けたくなかったから。だけど、保奈美ちゃんで。なりふり構ってられなくなった。保奈美ちゃんが好きだから。』


『保奈美ちゃんが好きだから。』


確かに言われた。



保奈美は、戸惑った。


初めて告白をされた。


なんて返したらいいかなんてわからない。



「保奈美ちゃん、ダメかな?」


静也は、聞き返してきた。


「あのね。私...」


「じゃあ。これから積極的になるから、よろしくね。」


静也は、保奈美にウインクした。


保奈美は、ドキッとした。


かっこいいって思っちゃった。


ヤバい。


ドキドキが止まらない。
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